Roaster Co.Ltd. | 株式会社ロースター

Roaster Co.Ltd. | 株式会社ロースター

餃子にすら羽根があるのに僕たちにはない。

October 25, 2017

山下です。中華料理が好きです。

チャーハンとか麻婆豆腐とか酢豚とか。

あとそう、餃子とか特に。

水餃子もいいけど焼き餃子が王道かと。

大人数で中華料理屋を利用する時なんて、だいたい頼みません?

 

大皿にズラーっと並ぶ焼き餃子。

それが宇宙の理であるかのように焼き面を上にして、ぴっちり綺麗に整列。

これ見よがしに誇示してくる焼き色が食欲をそそるぜ。

 

さらに言うと、羽根付きが好み。

渋谷のお店の羽根付き餃子! 見てこの立派な羽根!

餃子本体の並べ方も相まって、もはやアートでしょコレ! 時計回りに高速回転させたらホバリングしそう。

食べればニンニクや豚肉の旨味+羽根の食感!

羽根自体には特に味がついてるわけじゃないのにヤミツキになるよね、不思議。

ちなみにこの店の餃子の羽根はかなり薄くて、箸でそっと触れるだけでも破けちゃうほど。

お店によっても個性が出るから飽きない。

 

 

ところで、羽根付き餃子って昔からあったっけ?

わざわざ“羽根付き”って付けるってことは、本来そうじゃないのがスタンダードってことだよね?

青りんご然り、夏みかん然り。

 

誰が付けようと考えたんだ羽根を。

ていうか作ったとして“羽根”って名付ける? あの部分に。

ロマンチストかよ。

 

羽根、もとい翼。

基本的には空を飛ぶための機構で、鳥類の専売特許。

それがあろうことか餃子に!

 

人間誰しも、子供の頃に一度くらいは思ったであろう、

「翼が欲しい」「空を飛びたい」と。

 

名曲『翼をください』がヒットしたのも、そんな経験がある人々の心を掴んだからだと思う、知らんけど。

あと鳥人間コンテストの参加者のモチベーションも近いところにあるのでは、おそらく。

人というのは、自分にはないものを求めるから、しばしば。

 

羽根付き餃子の起源もきっとそう。

 

 

————翼が欲しい。

とある少年が願った。

 

歳をとるにつれて、いつしか、そんな純粋な気持ちもどこかへ置き去りに。ありふれた幼少期を経て、料理好きの元少年が志したのが中華料理のシェフ。

ところが、才があると思い込んでいた彼につきつけられたのは料理界の厳しさだった。

毎日のように向けられる、師匠の激しい怒号。自分を差し置いて、次々と名を上げる同僚たち。

しかし、そうして理想と現実の乖離に苦しみながらも、着々と料理人としての腕を上げていくのだった。

 

40を過ぎ、自身の店を持つくらいには、すっかり板についてきた頃だった。餃子のレシピを考えていると、小鳥が飛び立つのが目に入り、ふと昔を思い出したのだ。

「そういえば昔、空を飛びたいなんて思ったことがあったっけなぁ」

自嘲しながらも、少年期に確かに抱いた“夢”を懐かしむ。

その時だった。

使う食材や調味料の分量を書き留めるためのメモ用紙の上に、

小さな羽根が1つ、音も立てず綺麗に着地した。

彼の中に、何かがふわりと舞い降りた。

「そうだ、今からでも間に合う!」

叶えられなかった夢と幼かった自分へのせめてもの餞(はなむけ)に、その遺志を残さんと、託した対象が餃子だった。

 

幼心に描いた夢が、時空を超え、遠い日の空を自由に羽ばたくための翼。

それを携えた、焼き餃子。

羽根付き餃子が誕生した瞬間であった————

 

 

そんなとこじゃない??

壮大〜。 映画1本できるな。

 

まあ、僕がこのブログで何が言いたいかというと、

 

餃子はおいしい

 

この一言に尽きる。

山下俊太

山下俊太

ダンスと音楽と写真と映画とたこ焼きが好きです。
山下俊太

About The Author

山下俊太
ダンスと音楽と写真と映画とたこ焼きが好きです。