Roaster Co.Ltd. | 株式会社ロースター

Roaster Co.Ltd. | 株式会社ロースター

うるせいやつら

September 4, 2017

蝉の声を聞かなくなった。

 

それに気付いたのは今朝の通勤途中。

最寄駅までの道のりにある、公園の近くを通った時だった。

そこでは毎朝、オス蝉どもによる男声合唱が公演されているのだが、今日はなかったのだ。

夏、いよいよ終了。

勝手なもので、夏の暑さに拍車をかけるかのごとく喚き散らしていた蝉にあれほどうんざりしていた自分が、今はちょっぴりセンチメンタルに。

うるさいやつほど、いなくなると寂しくなる、といったところだろうか。

 

5月が「五月蠅い(うるさい)」なら、8月は「八月蝉い」とはよく言ったもので、都会だろうが田舎だろうが日本の夏における騒音公害の大部分を担っているのが蝉だ。鳴き声のボリュームだけでも充分に目立つ存在だが、生き様もかなりユニーク。

種類にもよるけど、数年を土の中で過ごし、地上へ出てようやく成虫になったと思ったら7日で絶命。なかなか変わった人生設計、じゃないな、虫生設計を描くこの昆虫は「もののあはれ」が大好きな日本人に昔から愛されている。しかも成虫になる瞬間の抜け殻も、子供たちに向けて「集めて!」と言わんばかりに、これまたきれいに残る。

昔から愛される、というか、これだけ個性が強い虫、無視できないよね。

絶対、夏の風物詩ポジション狙いにかかってるでしょ。

そんな蝉は、俳句の分野でも代表的な夏の季語。

 

“閑さや 岩にしみ入る 蝉の声”

松尾芭蕉が詠んだ句である。『奥の細道』に収録されているなかでもかなり有名。

訳はこうだ。

“静かだなぁ 蝉の声が 岩にしみ入るようだ”(解釈は様々有り)

いや待てよと。

蝉が鳴いてる時点で静かじゃないじゃん!(解釈は様々有り)

さては芭蕉、あまりの蝉のけたたましさに聴覚やられたでしょ!(解釈は様々有り)

そんなふうに、蝉の生態についておさらいしたり、歴史的偉人の詠んだ句に失礼なツッコミを入れているうちに最寄駅。

 

駅に着きホームで電車を待っていると、蝉とはまた別のうるさいのが近くに寄ってきた。

5、6人の、おそらく大学生。

どこかへ遠出でもするのか、揃いも揃って膨らみ気味のリュック。

中身が詰まった荷物を背負って、中身がないようなバカ話で盛り上がっている。

そういえば、大学生の夏休みは7月下旬から9月いっぱいまでだったか。いいなぁ。長期休暇がまだ半分もある。……いやいや、若い頃の時間なんて、それこそ蝉の成虫期間みたいにあっという間。あと半分しかないのだ。残りをせいぜい楽しむがいいさ。

なんて羨みつつ妬みつつ、楽しそうな彼らと、つい半年前まで大阪の大学生だった自分を重ねてみたり。

専らサークル活動に力を入れていた大学時代。我ながらまあ、青春だった気がする。

みんな今頃、何してるかな?

うるさいやつほど、いなくなると寂しくなる、といったところだ。

 

つと、彼らの1人が体の向きを変えた拍子に、リュックが僕に軽くぶつかる。

「あ、すみません」

短く謝ると、こちらには目もくれず、くだらない会話に戻った。

 

ああ、それにしても九月学生い。

 

 

 

 

 

はじめまして。

自己紹介遅れてすみません。

山下俊太と申します。

今年の4月からロースターでお世話になってます。

ブログでは日々の感想文のようなものを書いていこうかなと。

まあ新人らしく、文章を書く練習のつもりで投稿させていただきます。

 

山下俊太

山下俊太

ダンスと音楽と写真と映画とたこ焼きが好きです。
山下俊太

Latest posts by 山下俊太 (see all)

About The Author

山下俊太
ダンスと音楽と写真と映画とたこ焼きが好きです。